心がほどけるやさしい時間
「ヒプノセラピーって、実際にどんなことをするの?」「催眠ってちょっと怖そう…」
そんなふうに感じる方も、きっと少なくないはずです。
そこで今回は、実際のセッションの流れを“体験者の目線”でやさしく紹介していきます。
初めてでも安心できるように、1つ1つ丁寧にお伝えしますね。
1. セラピストとのカウンセリング|まずは“今のわたし”を話すところから
セッションは、穏やかなカウンセリングからスタートします。
ここで大切なのは、心を開いて話すことよりも、「安心していられること」。
たとえば、あなたが感じているモヤモヤ、不安、過去の傷…
どんなことでも、セラピストは否定せず、静かに耳を傾けてくれます。
なぜなら、ヒプノセラピーにおいて、“安全な場”が整っていることが何よりも大切だからです。
2. 催眠誘導|ゆっくりと心が深まっていく不思議な感覚
カウンセリングのあと、いよいよ催眠誘導に入ります。
といっても、映画で見るような“意識を失う”催眠とは全く違います。
むしろ、意識はしっかりとあるまま、体だけがゆったりとリラックスしていく…そんな感じです。
セラピストの穏やかな声に導かれながら、イメージの世界へと少しずつ深く入っていくと、
不思議と、心がほぐれていくのを感じるでしょう。
3. 潜在意識へのアクセス|「わたしの中の本当の気持ち」に出会う
催眠状態に入ると、潜在意識にアクセスできるようになります。
このとき、幼少期の記憶が浮かんできたり、過去の感情がよみがえったりすることもあります。
たとえば、ある女性は「なぜかいつも人に嫌われる気がしてしまう」という悩みを抱えていました。
セッション中、彼女は4歳の頃の記憶にたどり着きました。
幼稚園の帰り道。
手をつなぎたかったのに、お母さんがイライラしていて「歩きなさい」と突き放された――。
それは何気ない一場面でしたが、彼女の中では「私は邪魔な存在なんだ」という信念が、そこから始まっていたのです。
セラピストと共に、その記憶の中の“小さなわたし”に寄り添い、温かい言葉をかけていくと、
自然と涙がこぼれたそうです。
「そうか、私はずっと、愛されたかったんだ…」
その気づきは、何年も自分を責め続けてきた心をやさしくほどいてくれたのでした。
4. ポジティブな暗示と未来への統合|新しい“わたし”の感覚を育てる
記憶を癒したあと、セラピストはあなたが望む未来や理想の自己像に向けて、やさしい言葉の暗示を行っていきます。
たとえば、
「あなたは、あなたのままで愛されています」
「もう、自分を責めなくても大丈夫」
これらの言葉は、無意識の中にしっかりと根づき、
日常生活の中でもふとした瞬間に、自分を信じられるような感覚を支えてくれます。
5. ゆっくりと現実へ戻り、気づきを言葉にする時間
すべてのプロセスが終わったあとは、意識を現在に戻していきます。
ぼんやりとまどろむような心地よさの中で、自然と涙が出てくる人も少なくありません。
最後に、セラピストと振り返りながら、自分の中に起きた気づきや変化を言葉にしていきます。
これは、とても大切な統合の時間です。
まとめ|「わたしのままで、いい」そう思えるようになるセラピー
ヒプノセラピーの流れは、決して特別な人だけのものではありません。
むしろ、自分を取り戻したいと願うすべての人のためにある、やさしい心の時間です。
怖がらなくて大丈夫。
あなたのペースで、あなたの心に寄り添いながら、セラピストが一緒に旅をしてくれます。
もし今、心が疲れていたり、自分を好きになれないと感じているなら、
ヒプノセラピーという選択肢を、そっとそばに置いてみてください。
あなたの奥深くにある、本当のあなたが、「もう一度、自分を信じよう」とささやいてくれるはずです。